【保育士】理想は子ども一人ひとりに合った、寄り添う保育。現実は安全管理だけで精一杯でした。

【保育士】理想は子ども一人ひとりに合った、寄り添う保育。現実は安全管理だけで精一杯でした。

【性別】女性
【年齢】(仕事が大変だった当時)
29歳

【当時の職業】
保育士

【当時の住まい】
一軒家 夫と2人暮らし

【その仕事はまだ続けてる?もう辞めた?】
今は退職し主婦





【就職のきっかけと経緯】
結婚して引っ越した家の近所で、保育士の募集看板がある保育園がありました。
いつか子どもができたらいいなと思っていたので、パート希望でした。

【環境と仕事内容】
2歳児クラス12人の担任でした。
園庭がない小さめの園だったため、公園に散歩に連れていったり、食事や排せつ援助、寝かしつけ、リトミック指導、行事の企画実行、保育計画や児童票の記入、連絡帳の記入、保護者への対応、ケガの手当てなどを主に行っていました。
もう一人の担任は常勤の先生でした。
扶養内なので週4日勤務なので、私が休みの日は保育補助の先生が入るというシフトでした。
職員は11人でした。
時給900円でした。

【大変だった時期】
1月に入職して保育補助の役割をしていて、4月からは急に担任になってしましました。
扶養内のパートだったため担任になるつもりは全くなかったのですが人手が足りないということで渋々了承しました。




【大変だったこと】
クラスに発達障害疑い(いわゆるグレーゾーン)の子が数人いたため、規定の保育士人数じゃクラスが回らない状態でした。
手のかかってしまう子につきっきりになってしまうことがあるのですが、そうすると10人くらいを保育士1人で見る状態になるため、満足な保育が全くできません。
他害のあるすぐ他の子を噛んでしまう子や、気性が荒い子、みんなと同じ生活行動が難しい子、しばらく経っても1日中泣いて保育士から離れられない子など、とても2人では落ち着いた保育ができませんでした。
けんかや噛む、叩く子に対して、常に目を光らせて発見したら厳しく叱るということが続き、安全にみんなを降園させるということさえも精一杯になりとても辛かったです。
手のかからない子に対して大切な保育ができない状態で、とてもかわいそうだったな…と今でも悔やまれます。
発達障害と認定されれば必ず補助の先生を1人その子につけなくてはいけないのですが、まだ疑いの段階や親が障害を認めたくなくて相談に行かない場合など認定されないので、保育士の負担が大きく他の子どもたちにも影響してしまい、保育現場はバタバタになってしまうと思います。

【大変だった期間】
次の年度は副担任にしてもらったのですが、そういった状況は結局退職するまで2年続きました。




【当時の心境】
子ども一人ひとりに合った、寄り添う保育を望んでいた私としては、ケガがないようにだけ他害のある子を叱り続ける(その子に寄り添ったり事前に防いだりする時間がない)毎日に疲れきっていました。
叱ることはとても気力体力を使うと実感しました。
叱っても障害がある子の場合、その理解はなかなか難しい面もあるのですが、他の子のためにもそうするしか方法はありませんでした。

【職場が大変だった原因】
子どもの特性と人数に対して、圧倒的に保育士の数が足りません。
2歳児であれば子ども6人につき保育士1人が決まっているのですが、そこに障害があったり、早生まれの子が特別多かったり、家庭環境に問題がある子が多かったりするとクラスが荒れてしまい、保育士の数を増やさないとケアできないと思います。




【仕事で良かったこと】
私が寝かしつけをしないとなかなか寝付けない子がいたり、ママと離れる時は泣いてしまっても私が行くと抱っこに飛びついてきてくれるとか、私がいない日はさみしかったと言ってくれる子がいたり、子どもたちのできないことができるようになった瞬間を見られたり、保護者の方に感謝してもらえた時がとてもやりがいを感じることができました。




【特にひどかった最悪の出来事】
私はトイレで排せつ介助をしている時に、他害のある子が他の子に馬乗りになり、その子の歯がかけてしまったことです。
トイレから全体が見渡せない構造のためもう一人の担任が見ていなくてはいけなかったのですが把握できておらずそんなことが起こってしまいました。
その保護者の方は、歯医者を受診したうえで、乳歯であることと、元々歯が弱かったこと、子どもたちのすることだからと、特に怒ることもせず理解してくださったのですが、園長と担任でご両親に謝罪しました。
そんな事件が起こってからは、トイレ介助は補助の先生が入ってくれたり、職員が足りないときは園長先生がクラスに入ってくれるようになりました。
こんな事故はもう起こさないと必死でした。




【相談した人・助けてくれた人】
夫は保育業界ではないですし、あまり相談したことはありません。
親にも話さず、一人で解決しようとしていたと思います。
園長先生はとても理解のある尊敬できる方だったので、辛いときやうまくいかないときは相談させてもらいました。

【改善のための行動】
もう一人の担任と仲は悪くないのですが、タイプや考え方が全く違うため、一緒に同じクラスを担任するということがかなり難しく感じていました。
年下だったこともあり、遠慮してその先生に合わせたり、意見を言わないでいたことがよくなかったと思います。




【現在の状況と心境の変化】
あれからほぼ10年経ち、退職して子どもを産んで今は専業主婦ですが、もう少し子どもが大きくなったらまた保育の仕事をやってみたいという思いと、ブランクもありうまくできなかったらどうしようと恐れてしまうの両方の気持ちがあります。
子育て経験を生かして、いつか保護者の方にもより寄り添える保育士になって、不安や悩みを抱えている方のお助けができたらいいなと思っています。

【学んだこと】
一人で抱え込まず尊敬、信頼できる相談することが大切だと思います。
自分の意見を押し殺さずうまくパートナーの先生と分かりあっていけたらよかったと思います。



【当時の自分へのアドバイス】
責任を抱え込みすぎて保育の仕事を十分楽しめていなかったと思います。
もっと肩の力を抜いて、もっと周りの人に頼って、できないことは頑張りすぎずにできないと言って、何より自分が楽しく仕事をできるようになるといいなと思います。
それが子どもたちや他の先生方にも伝わって、いい雰囲気になっていくのではないかと思います。